8/9 結局ソロ

結論、お金に糸目をつけなければ、結局ソロで行くのが一番いいに決まってる。頑張って喋らなくていいし、自分のペースだし、気遣いもめんどくさいこともない。でもコスパが悪すぎる。往路8千円、復路7千円、平日だったから安いけど、復路は新幹線なら1万円以上かかる。

 

でも誰か誘ったり人を育てたりするのは、もうめんどくさいなぁ。ソロテン楽しかったなぁ。なんでかわかんないけど、ほんとにほんとに楽しかった。ラッキーなのもあったし、向いてると思う。

8/3 大天荘〜中房温泉

曇りの予報だったので、朝日は見ないでテントを片付けていた。テント場の正面にはモルゲンの槍、片付け終えて、朝日がキラキラで、燕山荘のほうにむかう分岐に立つと、雲海のなかに太陽が柔らかく浮かんでいるところだった。

 

こんな景色が見れるのか、わたし、こんな景色を見せてもらえるのか。一人で来て、ほんとは怖くて、ここまで来れて良かったってそれだけでも幸福なわたしが、こんな美しい日を歩けるなんて。

 

と思ったら涙が出て、すこし泣いた。表銀座縦走路は、登ってくるひとがたくさんいて、本当にいい天気だった。深い青空と雲海が、稜線をはさんで隣あっていた。美しくて、嬉しかった。燕山荘のすこし手前でお友達に会えた。燕山荘で、ケーキを食べて、すこしほっとして、合戦小屋まで30分、中房温泉には10時頃着いた。ほっとした。4日ぶりのお風呂は気持ちよかった。上がってオロナミンCを飲んで、帰りのバスを待つ間、そよそよ風を受けながら中房温泉の前のベンチで残ったアルファ米とジャーキーを食べた。

 

大冒険が終わってしまった。でもまた行きたい。はやく家に帰りたい。必ずまた来よう、こんなふうに心細い気持ちで、期待しないで、無理しないで、無邪気なふりをして、ぜいぜい言って歩きたい。山の神様ありがとう。いろんなひとにありがとうだった。すぐに戻ってしまう心と日常だけど、しばらくは誇らしい気持ちで過ごします。高速バスは新宿に着いて、家には20時頃着いた。

8/2 槍ヶ岳山荘〜大天荘

朝焼けを見てから、5時ちょっとに出発。ヒュッテ大槍を通って、足が痛くてテーピングをして、東鎌尾根。誰もいなくて焦った。槍ヶ岳に向かう人はみんなヘルメットつけてて、わたしと、わたしの前に早々行ってしまった男の人はノーヘルだった。

 

下りだったせいか、なんとなく怖かった。20mくらいのハシゴはさすがに足が震えた。鎖のスラブは余裕だった。クライミングやっててよかった、って何回も何回も思った。すれ違ったおじさんが、この先は油断できないよ、と教えてくれたあと、ところで化石に興味はある?と、足元の岩についた何かの虫の化石を教えてくれた。

 

いろんなひとの顔が浮かんだ。大丈夫って言ってくれた人とか、心配してる人とか、応援してくれた人とか、辛くないけど怖いところはメンタル核心。西岳小屋の手前で、もうすぐ着くし、ハーゲンダッツ売ってるよって言われて駆け足になる。着いて、アイスを食べた。甘くて辛くなって、行動食の煮干しを一緒に食べた。休んでたおじさんがくれた梅干しが美味しかった。

 

大天井までは、崖のした、木の茂る道をずーっとずーっと進む。ほんとは燕まで行きたかったけど、東鎌尾根で疲れてじったし、もうガスが上がってたから、大天荘12時頃で、もう歩くのをやめた。大天井ヒュッテでどうしても食べたくてドライカレーを食べた。

 

テントを張って、手ぶらで大天井岳に登って、小屋でパトロールの人の御使いをしたらビールをくれて、酔っ払って夕暮れまでテントで寝た。テント場の正面に、雲海から顔を出した槍ヶ岳が、西日でピンクになっていた。ぼんやり眺めながらドライシャンプーで頭をかしかししていたらすこし寒かった。

 

夜、消灯前の小屋に入るとストーブがあったかくて、タオルを乾かしながら、そこにいたご夫婦とおしゃべり。すこしだけ安心して、テントへ戻った。

8/1 双六小屋〜槍ヶ岳山荘

ガスって午後には雨の予報だったので、5時出発、西鎌尾根を進む。ガスのなかにも槍ヶ岳、岩稜を、ひたすら槍ヶ岳に向かって進む。槍ヶ岳は、要塞みたいでかっこいい。韓国人と中国人しかすれ違わない。二箇所くらいルート見失う。すぐリカバリできた。どんなに険しいところでも、切れ落ちたり崩落してる道でも、どこにでもお花が咲いてた。そんなに怖くなかった。最後の急登は辛くて辛くて、自分で自分を褒め続けて歩いた。空気が薄かったのかも。雷鳥がいて、元気もらって、すぐ山荘に着いた。10時くらい。

 

テントは穂先を正面の場所、でもひとつ奥にしてもらった。岩陰の雨をよけられるところ。ゴロゴロしたり、山荘の乾燥室を借りたり、談話室でサコッシュを乾かしたりしてのんびり過ごした。夕方にガスが晴れたので、テントを飛び出して、ヘルメットを借りて穂先へ登った。前のおじさんを待ちながら、15分くらい。あまり興味なかったけど、嬉しかった。

 

夕焼けがすごく綺麗だった。雲海のなかに、水晶、鷲羽、双六がぽこぽこと顔を出す。夜は槍ヶ岳の山影に星もたくさん見えた。翌朝は日の出も見られた。モルゲンの岩に足を投げ出してラーメンを食べた。

7/31 野口五郎小屋〜双六

朝はガス。5時半頃出発、みんな優しかった。少しずつ雲が流れてすごくいい天気、槍ヶ岳も見えた。稜線は思ったよりも岩稜だったけどCT通りで水晶小屋、コーヒーを飲んで、迷ったけどデポってパークハント、歩くうちにどんどん晴れた。山頂は気持ちよかった。水晶小屋、鷲羽岳(このあたりすごく気持ちよかった)、三俣山荘、三俣蓮華岳、双六岳は雲の感じが怖かったのと午後はまたすこしガスってしまったので、ピークは踏まずに双六小屋。

 

池の前の広々したテント場は、初めて一人ぼっちでテントを張るわたしに、すごく優しい笑顔で安心しておいでって、言ってくれてるみたいに感じた。

 

夕方、電波をひろいに近くの山を中腹まで駆け上った。夜中に目が覚めてテントをすこし開けると満天の星空で、夏の星はあんまりたくさん瞬くので、図鑑で勉強してもあまり活かされないんだなと思った。遠くの雲が、雷でぴかぴか光っていた。

7/30 高瀬ダム〜野口五郎小屋

七倉ダム4時着、タクシーを待って5時半。二人組みのおじさんおばさんが話し相手になってくれた。

登山口は晴れていたけど、ブナ立尾根を上がるうちにあたりはガスに覆われた。クータイウールがちょうどよくて、長袖一枚ですいすい登ってあっという間に烏帽子小屋。パトロールのお兄さん達とおしゃべりして、コーヒーを買って休憩。裏銀座縦走路を野口五郎小屋へ向かって歩き出す。途中すこしシャリバテになってスピードが出なくなったりしたけど、14時前には小屋に着いた。こんなとこに一人で来てしまった!

 

同じソロで来てた女の子と仲良くなってずっとおしゃべりしてた。夜は眠れなくて、小屋のひとにホットミルクあるか聞いたらもうやってないからって日本酒をくれた。飲んでたらパトロールのお兄さんとか小屋のお兄さんが話に来てくれて安心したら涙が出た。先の行程を想像して不安になって緊張していたんだと思う。21時半には寝た。

7/29 竹橋から深夜バス

竹橋から深夜バスで七倉ダムへ

バスは2席使えたので横になって寝た