よーちゃん

赤ちゃんのことを、よーちゃんと呼ぶことにした。よーちゃんて呼びたいのと、ようは陽だし、赤ちゃんは幼虫みたいだから。

 

12cmか15cmくらいのよーちゃんは、お腹の中を時々けりけりしてくれる。よーちゃんが動いてるのがわかる瞬間がいまは一番楽しい。

 

英語の歌を歌ってあげる。イライラしないようになんて無理だけど、自分で自分に、楽しいことは頑張って意識して増やしてあげないと。いまは苦しいけど、すぎてしまえば、いまのほうが楽チンだったと思う日もくるだろう。

 

トップオブザワールドを覚えて歌ってる。よーちゃんをお腹のなかに感じるのは、この世の創造の全てを世界の高いところから見てるみたいな気持ちになる。

赤ちゃん

夢の中の赤ちゃんは可愛いけど時々大人になっていた。小さい体を抱えておっぱいをあげた。おっぱいが捻れて痛かった。おしりふきとか、おむつとか、会社に遅れそうとかでぼんやりしていた。わたしの気持ちや心や体がすべて伝わるなら、元気で健康でお腹のなかにいてほしい。神様は時々意地悪で、お願いすべて叶えてくれるわけじゃないけど、わたしを本当の意味で不幸にすることはしないのだけど、それでもその時はとても悲しい気持ちになる。ぜんぶまるめて、わたしなんだけど、どうしてもいつも持て余してしまう。

4/2 手縫いの指先

そんなの泣いちゃうに決まってるよなぁって、思ったらもうだめだった。お人形の視線の先を追っては、何もない空間に存在しているなにかを想像して泣いてしまった。情緒、叙情。人を殺せるくらいのノスタルジー。むくむくと湧きまくる母性。

 

子どもだったわたしが、わたしが生まれる前に作られたお人形に泣いて、おばさんになっても同じものを見てまた泣く。いつかずっと遠い未来で、同じように誰かがそれを見て泣くんだ。良いものは継いでいく。みんな同じ。元気なんかださなくてもいいんだ。

3/12 ピエタ

わたしの体や心がずっと健康なら、きっと来年も再来年も、どこにだって行けるはず。たいしたことはできないけど、たいした人間にはなれなかったけど、少ない誇りやプライドや、いろんなものを保ったり保てなかったりしながら生きている。

 

身近な誰かが望むなら、その願いを叶えてあげたって罰は当たらないんじゃないの。いつか、あのとき、あのひとを、あの場所へ、連れてってあげればよかったと悔やむことは、きっと寂しいことだ。

 

きっとわたしのなかのピエタはひっくり返ってしまうよ。欠けた小指の付け根がきっと愛しい。ものすごくルネサンスが好きになってしまったりするんだろうか。それもいいなぁ。

11/18 ゴッホ!!

曖昧さを上手に残して、アルルからオーヴェールに移ったあとのゴッホの最期の日々を探すお話。面白かったし感動した。情熱を見つけて、人生を生きて、想いを抱いて死ぬ、愛と優しさを抱いて死ぬんだと思った。生きることは尊い

 

絵の具の渦が、記憶の渦と時間の渦を表していて、わたしたちは、絵のなかの画家と心の中で握手する。なんでもないひとも、絵のなかのひとで、びっくりして泣いてしまった。ゴッホ!!

10/28 visitors

ラグナルキャルタンソン

visitors

 

スクリーン8つ、薄暗い展示室に、ぽつぽつと体育座りするひとが増えていった。むくむく膨らんで、萎んで、泣いてるみたいに歌って、大砲が鳴って、笑ってる。

 

みんなが同じ部屋に集まって、釣られて、わたしたちもスクリーンをあちこち移動した。最後はお庭の外に出て、野原の遠くに歩いて行ってしまう。犬と、お酒と、音楽と、家族と友達。集まって、離れて、また集まる。スクリーンのなかのひとを眺めているわたしたちにも、不思議な一体感が生まれた。

 

脳みその、てっぺんがじゅわじゅわするような多幸感に、泣きそうなの我慢して鼻をすすっていたら、隣のお姉さんも泣いていた。久しぶりにいいものを見た。嬉しかった。

10/13ヘドウィグ!!!

夜のために頑張る今日。そういうのの積み重ねなのに、楽しみが何もないなんて、生きてる意味あるんだろうか。

 

頭悪い人は嫌い。デブも嫌い。うるさい人も、怒る人も、怒鳴る人も、イライラする人も、掃除できない人も嫌い。遊ぶことを知らない人も、働くことを知らない人も、努力を知らない人も嫌い。楽しいことを知らない人も嫌い。旅行できない人も嫌い。夜更かしできない人も、早起きできない人も嫌い。お金の使い方と貯め方を知らない人も嫌い。マナーが悪い人も嫌い。無知な人が嫌い。

 

嫌いは、心の中に許された正義である。わたしはそれを行使する。だから、くだらない人のくだらない提案を断ることを、謝ったりしない。だって、お金払って美味しくないもので脂肪を蓄えるなんて、ただの罰ゲームじゃん。もっと行きたいとこたくさんあるし欲しいものたくさんある。でもそれは、きっと、あなたの脳みそからは一生思いつかないようなことばっかりなんだろう。