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黄色

裾除けを探していたら、白い袷の袋が出てきた。絶対これだと思って慌てて包んだ。これ誰の?って聞いたら、なにそれ覚えてない。高いの?そんなに高くないんじゃないの。わたしは締めてないよ

 

振りの長い着物だしせっかくなんだから、雀でも作ったら、と勧めてくれた。帯との組み合わせまで考えてくださって、お教室の練習用の、黄色の帯揚げと帯締めを貸してくれた。すごく可愛くて、いちばん可愛いのは、臈纈の着物なんだけど、すべてが淡くてわたし好みで、ほんとは似合わない水色だけど黄色ですごく柔らかくなって、いろんなひとに協力してもらって、こんなわたしが一人で、なんの役にも立たないのに、なんだか申し訳なくて、だけど、自分の結婚式なんじゃないかとおもうくらい、ほんとうに嬉しかった。

 

帰ってから、雀のせいでくっきりとシワの残った帯を広げながら、この帯の銀は、本物の銀かもしれない、と言うので、あんまり高くないと言って昨日相手にしてくれなかったのは誰だとおもっけど言わなかった。

 

けしかけるくせに、いざとなると、すごく興味のないふうになったり、牽制するような態度をとるから、なんとなくいつも怖いけど、わたしが、やり過ぎたかも!雀が派手すぎる!どうしよう!って泣きついたら、大丈夫カッコいいよって言ってくれた。

 

家の着物を着るのは、血液や遺伝子ごと愛でるような気持ちになる。着物着るために小さく生まれたんじゃないかとか思うし、まだまだたくさんあって、たぶんすべてに袖を通すことはできないけど、ビビりのわたしにいろんなひとが勇気をくれて、ほんとは目立つの苦手なのに、美しいのは、わたしではなくて、着物なんだとおもうと、開き直って背筋を伸ばしていられる。なんだか勘違いしそうになるくらい。