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湯気

中学生くらいの女の子が、電車の窓を上目遣いで見つめながら、髪を触っていた。何度も何度も手で巻き直して、たまに舌舐めずりをする、様子が、なんだか醜くて嫌だった。

 

そういうどうでもいいことにイライラしている。おばさんのタンクトップからにゅるりと突き出した、生々しい二の腕とか、あんま好きじゃない職場の男の人の意地悪そうな笑い声とか、食べきれないたいして美味しくもないランチとか、誰だかわかんないキツい香水とか、新人さんの、aとeの中間音みたいな挨拶とか、そういうのひとつひとつ、気になってイライラして、なんでもいいからここからいなくなりたいと思っていた。はやく家に帰りたいって毎日思ってる。

 

そういうのだから、いけないんだろうか。いけないっていうのも、なんだかよくわからないけど。でも、なんかあんまりよくないのは、なんとなくわかる。