8/3 大天荘〜中房温泉

曇りの予報だったので、朝日は見ないでテントを片付けていた。テント場の正面にはモルゲンの槍、片付け終えて、朝日がキラキラで、燕山荘のほうにむかう分岐に立つと、雲海のなかに太陽が柔らかく浮かんでいるところだった。

 

こんな景色が見れるのか、わたし、こんな景色を見せてもらえるのか。一人で来て、ほんとは怖くて、ここまで来れて良かったってそれだけでも幸福なわたしが、こんな美しい日を歩けるなんて。

 

と思ったら涙が出て、すこし泣いた。表銀座縦走路は、登ってくるひとがたくさんいて、本当にいい天気だった。深い青空と雲海が、稜線をはさんで隣あっていた。美しくて、嬉しかった。燕山荘のすこし手前でお友達に会えた。燕山荘で、ケーキを食べて、すこしほっとして、合戦小屋まで30分、中房温泉には10時頃着いた。ほっとした。4日ぶりのお風呂は気持ちよかった。上がってオロナミンCを飲んで、帰りのバスを待つ間、そよそよ風を受けながら中房温泉の前のベンチで残ったアルファ米とジャーキーを食べた。

 

大冒険が終わってしまった。でもまた行きたい。はやく家に帰りたい。必ずまた来よう、こんなふうに心細い気持ちで、期待しないで、無理しないで、無邪気なふりをして、ぜいぜい言って歩きたい。山の神様ありがとう。いろんなひとにありがとうだった。すぐに戻ってしまう心と日常だけど、しばらくは誇らしい気持ちで過ごします。高速バスは新宿に着いて、家には20時頃着いた。